RiTurban‘sサイト解析ブログ

特定の顧客(IPアドレスやCookie等)を追跡できそうなアクセス解析ツール一覧

2009年12月26日

もし、ある特定の顧客を追跡して分析したいなら、
クッキーか、IPアドレスを中心に分析するのが一般的だと思います。

では、そういった特定顧客の追跡ができるツールにどんなものがあるか、ちょっと調べてみました。

※全てのツールの検証はしていなくて、あくまでヘルプ等を見ての調査です。
※もし他にもあったらコメントよろしくお願いします

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【無料のもの】
1.Apache(WEBサーバー)のログを解析する
→これが一番メジャーだと思います。ただ、サーバーにアクセスができる人でないと、生ログの入手が難しいので、ちょっと敷居が高いですかね。プロがよく使う手法です。
もし生ログを入手できるならば、ApacheLogViewerという無料の高機能解析ソフトが使えます。

2.忍者アクセス解析
→特定顧客の導線までは見れないようですが、その顧客があるページを何回見ているか?などはわかるようです。導入には忍者アクセス解析というバナーを貼ることが必要です。

3.TraceMyIP.org
→海外のツールです。なにやらいろいろできそうで、高機能です。やはりTraceMyIPというバナーを貼ることが必要です。

4.Research Artisan Lite
→自分でPHPをインストールして使う国産のツールです。かなり高機能だと思います。


【有料のもの】
1.いちにのアクセス解析
→これは特定顧客がIPアドレスで追跡できます。今現在で、年間契約で8400円/月?のようです。もちろんバナーなどは必要ありません。(当たり前か)

2.サイトカタリスト
→いわずと知れた高機能のアクセス解析ソフト。今の値段は知らないですが、安くはないです。ホームページには価格の記載なし。比較的、大手企業向きで一般向きではないですね。

3.ビジョナリスト
→決して安くはないですが、これまたメジャー企業で使われている有名ソフト。高機能で、月額5万円くらい?のようです。

他にも有料だったらたくさんありそうですが、まずはこれだけ。

詳しくは、このページの中程にある「ユーザー別のPV数」の○×を確認してみてください。
▼アクセス解析ツール13種類比較
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/12/10/2004

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で、改めて僕の見解ですが。。

まず、こういった追跡機能がついた無料のツールで、かつバナーを貼らないタイプは難しいでしょうね。(GoogleAnalyticsのような)

なぜなら、特定顧客を追跡するというのは、すごいデータ容量を貯めなくてはなりません。

ところが、それを無料で展開した上に、広告効果もないのでは、キャッシュポイントがないので、企業が破綻するからです。

GoogleやTwitterやMixiのように、ユーザーが爆発的に増える可能性があるなら、無料というのもありだと思いますが、アクセス解析ツールでは、そこまでは望めません。

結果的に、こういった高機能なツールが無料で出てくる可能性はすごく低いと思います。

だから、もしあなたが無料でやりたいならば、1.のApacheのアクセスログを解析するのが一番オススメで、それが難しければ、バナーが必須で、かつ完全な追跡はできませんが忍者ツールでしょう。

ただ、根本問題もあって。。

本当に特定顧客の分析って必要?

って僕は思います。

なぜなら、特定顧客を追うのって、そもそもすごく大変だし、時間もかかるし、個人の癖というか特徴が出やすい。

だから、その顧客だけを追っても、傾向というか、大事なことはわからないわけです。

例えば、変な話ですが、僕がすごくキノコが好きだったとします。
そして、あるグルメサイトで「寄せ鍋のツユ」を買ったとします。

この時の僕のサイト導線は、キノコのページをたくさん見た上で、「寄せ鍋のツユ」を買ったという感じになるでしょう。

だからといって、このデータだけを見て「キノコのページをたくさん作る」=「寄せ鍋のツユが売れる」と言えるでしょうか?

言えないですよね。

その人独自の癖があるので、特定顧客だけ見てもダメなわけです。

そうすると、結局、全てのユーザーの傾向を分析するしかないですが、そうするともう、IPアドレスを追ったら大変なわけです。

それだったら、GoogleAnalyticsのように、最初から結論である「傾向データ」を見せてくれていた方が、改善点がよくわかります。

僕の解釈では、多くの場合、IPアドレスを追跡したり、特定顧客を分析するというのは、自己満足で終わってしまって、何を改善したらいいかを見誤ります。

唯一、特定顧客を分析するメリットがあるとしたら、それは、バックエンドの決済システムなどと連動した場合です。

その場合は、例えば「寄せ鍋のツユ」を毎年5回買っていてキノコが好きな「丸山さん」には、サイトにアクセスした時から、オススメの「キノコ鍋」のレシピを載せてあげたらいいですよね。

いわゆるパーソナルなサービス提供で、これはもう、AMAZONの領域ですね。

もしここまでやりたいなら、結局、サイトに抜本的に手を入れて、すごいシステムを組む必要があります。

ただ、ここまでやれば、AMAZONのように、ひとり勝ちするかも知れません。こんなシステムを組むには、億単位のお金が必要でしょう。

ということで、僕の結論としては、多くの場合(特に中小企業は)、特定顧客を追うことは、時間の無駄になることが多くて、それより、今のツールでわかっている有用キーワード対策(SEO,PPC)や、顧客へのフォローメルマガなどに時間を費やした方が、よっぽど利益があがる、っていうことになります。

うーん、長いエントリになってしまった。。