RiTurban‘sサイト解析ブログ

初心者のためのアクセス解析 3つのレポートで楽々改善!

2010年10月20日

先週はアクセス解析とは何か
というお話をしました。

アクセス解析に可能性を感じてくれる人が
少しでも増えたらいいなーと思っています。

そこで可能性を感じてくれた人向けに、
今日から具体的なアクセス解析方法の説明に入っていきます。

今日からっていうのは、この話、少し長くなりそうなので、
シリーズ化しないとうまくいかないなぁと思ったから。。

ということで、今後1ヶ月半は以下のような流れを考えています。
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1.初心者のためのアクセス解析 3つのレポートで楽々改善!
 →あの分かりづらい数字&画面の最低限、何を見るべきか?という具体的な話。
  とりあえずGoogleAnalyticsを入れただけという人も大丈夫。
  これであなたのサイトも劇的に変わる!?

2.初心者のためのアクセス解析 目標設定で飛躍しよう!
 →ちょっと興味が出てきた人向けに、目標設定のお話をします。

3.アクセス解析でできる7つのこと
 →もうちょっと興味が湧いた人向けに、じゃぁアクセス解析って何ができるの?という話。
  このあたりから中級者の人も満足してもらえるかなぁと思います。

4.お宝探しのアクセス解析
 →お勧めの運用パターンのひとつ。あなたのサイトの潜在能力を発見する方法。

5.顧客行動(AISAS)をアクセス解析に応用する方法 その1
 →ちょっと難しいエントリですが、きっと役に立つと思います。

6.顧客行動(AISAS)をアクセス解析に応用する方法 その2
 →ちょっと難しいエントリですが、きっと役に立つと思います。

—————————————————————————-

今日は、本当は第三話で予定している
「アクセス解析でできる7つのこと」
という話をしようと思ったのですが、、

この話は少し抽象的な話になるため
「そんなの関係ねぇ」
と思われてしまっては悲しいと思ったので順番変更です(^^;)
kojimayoshio.jpeg
※画像は管理人の趣味です。

ということで今日は、初心者のためのアクセス解析です。

早速いってみましょう。

先週は、
「アクセス解析データ = WEBサイトの健康診断」
というお話をしました。

illust327.png
じゃぁ、あなたはその健康診断書をもらったら、
まずどのデータを確認しますか?

体重?血糖値?視力?

もし健康に不安があって、思い当たる節があるならば、
おそらくその値から確認すると思います。

ところがWEBサイトの場合は、
そういった思い当たる節も知識もあまりないので、
自分で見るデータを決めなくてはいけません。

そうすると、普通は路頭に迷ってしまいます。

この時、
体温が37度を超えたらとりあえずヤバい
みたいな指標があると便利ですよね。

これさえ知っていれば、
多くの体調異変に気づけるという、
まさに健康診断の肝といえる部分です。

こういった肝となる指標がアクセス解析データにもあります。

そして、改善案を思いつくチャンスが増えるのです。
これは便利ですよ。

■初めてのデータ1:キーワードレポート

最初の肝となるのは「キーワード」

あなたのサイトには、GoogleやYahoo!からユーザーが訪れています。
その時、どんなキーワードで検索して訪れているのでしょうか?
それを見てみることがまず大切です。

例えば僕のこのサイトに
「サイト解析」
と検索して訪れてくれた人は、結構ページを読み込んでくれます。

ところが
「html url 貼る」
と検索した人は、あっさりサイトから立ち去ってしまいます。

理由は明白ですね。

「html url 貼る」という情報は、僕のサイトには一切ありません。
(むしろ、なんでそんなユーザが訪れているか不思議です^^;)

こんな風にキーワードを見てみると、
とっても面白い発見があるのです。

では、以下ちょっと例を出しながら、
キーワードレポートの使い方を解説していきましょう。

今から3分であなたも確認できますよ。

例ではGoogleAnalyticsを導入しているサイトで、
鯖寿司を販売しているとして進めます。

【キーワードレポートはどこで見れるか?】

左側のメニューの
「トラフィック→キーワード」
で見ることができます。

trafic-keyword.jpeg

【どの数値を見るべきか?】

まずデータはセッション数の多い順に並んでいます。
つまり沢山サイトに来ているキーワード順に並んでいるんですね。

しかし、ここで最も重要なのは、セッション数などではありません。

一番大事なのは
「あなたの望んでいるキーワードでユーザーは1人でも訪れているか?」
ということです。

例えば鯖寿司の販売サイトに
「鯖寿司 レシピ」
と検索しているユーザーが大量に来ているとします。

これは一瞬成功に見えますが、実は失敗の可能性が高いです。

なぜなら「鯖寿司 レシピ」と検索している人は、
自分で作りたいのであって、別に購入したい訳ではないからです。

逆に「鯖寿司 通販」と検索している人が一人でもいれば、
その人は見込みが高いお客さん候補ということになります。

特に2単語より3単語の方がよいことが多いです。

例えば
「鯖寿司 通販 お歳暮」
と検索している人がいれば、、

それはかなりの「買いたいモード」全開の人です。

ということで、セッション数は1でもいいので、
とにかく全体的にキーワードを眺めてみてください。

そして、よいキーワードで人が来ているかどうか調べます。

よいキーワードを見つけるには、
セッションあたりの閲覧ページ数でソートするといいかも知れません。

えてしてあなたのサイトに興味がある人は、
10ページくらいあなたのサイトを閲覧していくのです。

ソートをするには、列タイトルである
“セッションあたりの閲覧ページ数”がリンクになっているので、
そちらを押します。

※データ列の左から2番目(キーワードを列に入れるなら3番目)の列です。

trafic-keyword.jpeg

【対策はどうする?】

サイトを訪問している人のキーワードが
「鯖寿司 レシピ」
というキーワードばかりだったとしたら。。

それは、どれだけ今のサイトをいじっても
結果が出づらいことを意味しています。

だってお客さんが一人もいないのですから。

「鯖寿司 通販」と検索している人を何としても集めなくてはなりません。

ユーザーの集め方は、それだけで沢山の方法がありますが、
スピードを重視するのであれば、GoogleやYahoo!に広告を打ちましょう。
1クリック数十円で広告 が打てます。

興味がある人は、こちらから申し込みができます。

▼Google(Adwords)
http://adwords.google.co.jp

▼Yahoo!リスティング
http://listing.yahoo.co.jp

無料で集客したいならば、いくつか手はありますが、王道はSEOです。

「鯖寿司 通販」というタイトルでページを一枚追加してください。
そして、そのページにありったけのユーザーが喜びそうな情報を入れましょう。

「鯖寿司をインターネットで購入する時に、ぜひ気にして頂きたい点ベスト3」

など。
 

これだけで直ぐにうまくいくとは言いませんが、
何もしないよりは絶対よいです。

ちなみに、これらのどの作業もしたくない。。という人は、
健康診断で「血糖値が高い!」と言われているのに、
「禁酒は絶対にしない!」と言っているのに似ています。

これはもうその人の自由なので、僕は何も言えません。

でも、ちょっとだけ集客に関する本を読んでみることをお勧めします。


■初めてのデータ2:ランディングページのレポート


恋愛も何事も、第一印象が肝心といいます。

この第一印象が最悪だと、
ユーザーは無情にも離れていってしまいます。

特にインターネットは顔が見えないので、判断が早いです。
あっさり3秒で「あばよ」です。世知辛いですね。

ということで、あなたのサイトの第一印象を絶えずチェックしましょう。

ユーザーが最初に見るページをランディングページと言います。

ランディングページとはリンク先ページ/閲覧開始ページとも言われます。
要はユーザーがあなたのサイトに着地(ランディング)した最初のページです。

【ランディングページのレポートはどこで見れるか?】

左側のメニューの
「コンテンツ→上位リンク先ページ」
で見ることができます。
contents-lp.jpeg


【どの数値を見るべきか?】

まずデータは閲覧開始数の多い順に並んでいます。
つまり沢山アクセスを集めているページ順に並んでいるんですね。

でも、ここで最も重要なのは閲覧数ではありません。
(多くのアクセス解析ノウハウでは閲覧数が多くて直帰率が高いページを重要視しますが、それは都市伝説なことが多いです)

大事なのは
「あれっ、渾身のページなのに直帰率が高い!?」
というページです。

例えば、先程の例のように、
「鯖寿司 通販」という渾身のページを作ったとします。

ページのファイル名は
/sabazushi-hanbai.html
です。

ところがこのページが見たところ激ヤバだとします。

閲覧数が100なのに直帰数が80。
実に直帰率は80%。
※あくまで目安ですが、50%を中心に高いか低いかを判断しましょう。

ということは、
この渾身のページは8割の人間が気に入らないということです。
※直帰とは、文字通り1ページだけ見てあなたのサイトを離れたということです。

その場合、詳細を見てみる必要があります。
/sabazushi-hanbai.html
はリンクになっているので、そちらを押してください。

そうすると、右側に”閲覧開始ページのキーワード”
というリンクがあります。これを押してみてください。
contents-detail-keyword.jpeg

そうするとそのページを訪れたキーワード一覧と直帰率の一覧が出てくると思います。

このキーワードが重要なのです。

【対策はどうする?】

もし「鯖寿司 通販」という狙ったキーワードでユーザーが来ているのに、
渾身のページの直帰率が高いとします。

ということは、第一印象が最悪ということです。
だからユーザーが直帰してしまうのです。

ところが、最悪な理由まではアクセス解析からはわかりません。

健康診断の結果から、血糖値が高いことは解るけど、
なんで高くなったのかは、本人しかわからないのと一緒です。

ここからは人の行う領域です。

参考としては、同じ「鯖寿司 通販」と検索してみて、
他のサイトを見てみましょう。

他のサイトはとても参考になります。
ぜひ、それより優れた情報を提供しましょう。
もしくは、他サイトとは全く違う目立つ情報を発信するというのもポイントです。

また、第一印象以前の問題の可能性もあります。

確認してみた結果、「鯖寿司 通販」という狙ったキーワードではなく
「鯖寿司 レシピ」というキーワードでばかりアクセスがあったとします。

これは、第一印象以前の問題で、そもそもユーザーじゃない人がアクセスしているので
直帰率が高くても低くても関係ありません。

その場合の直帰率は無視します。
手のうちようがないからです。

それより、正しいアクセス集めに集中しましょう。

■初めてのデータ3:お申込みフォームの詳細データ


最後は、あなたのサイトでもっとも重要なところを見ます。
ところが、殆どの人が力を入れていないページです。

それがお申込みフォーム。

あまり知られていませんが、このお申込みフォーム次第で、
反応は2倍にもなったりするんですよ。

他のページではそうはいきません。

でも多くの場合で、適当に作られているんですよね。
もったいないです。

【お申込みフォームのレポートはどこで見れるか?】

左側のメニューの
「コンテンツ→上位のコンテンツ→申し込みページのファイル名」
で見ることができます。

例えば、あなたの申し込みフォームが
/otoiawase.html
だったら、そのリンクを押してください。

※右側にファイル名の一覧が出ているのでそちらから選択

contents-high.jpeg

またフォームマンなど、レンタルフォームを使っている人は、
申し込みフォームのデータは残念ながら取れないと思うので、
商品の説明ページで、最も力を入れているページを見ましょう。

例えば鯖寿司のサイトだったら
sabazushi.html
など、自社製品をプレゼンしているページです。

【どの数値を見るべきか?】

まずデータはサマリーされて表示されています。
ここで、「ユニーク表示数」を見てみてください。
contents-detail-uniqpv.jpeg

「ユニーク表示数」というのは、
その申し込みフォームに訪れたセッション数のことです。

この数字が1ヶ月間で100を切っているならば、
ちょっとアクセス数が少ないです。

つまり申し込みフォームに送り込むユーザー数が足りないのです。
問題は、あなたの商品の魅力の説明不足ということが多いです。

もし100を超えているならば、あとは成約率をみます。

あなたのサイトの1ヶ月間の申し込み数はわかりますか?

例えば2人ならば、約100人が訪れたうちのうち2人が成約したことになります。
ということは成約率は2%です。

もし1人が申し込みしたならば、成約率は1%ですね。

この成約率(※)が0.5%を上回っているかどうかを見てください。

もし0.5%を下回っていたり0%ならば、
それは成約率が平均より悪いです。

ということは、申し込みフォームになんらかの
悪い要素がある可能性があります。

これは申し込みフォームをレンタルしている場合にも
同様に考えてください。
商品紹介ページの成約率が0.5%以下ならば、何かしら問題ありと見ます。

※実はこれは厳密な成約率という意味では違っています。
 セッション数を基準に考えているからです。
 でも、今回の改善では大雑把に捉えて大丈夫です。


【対策はどうする?】

まずユニーク表示数が100を切っている場合は、
なんとしてもユーザーにページを見てもらわなくてはなりません。

この時、さらにデータをドリルダウンして
ナビゲーションサマリーというデータを見ます。

「コンテンツ→上位のコンテンツ→申し込みページのファイル名→(右側の)ナビゲーションサマリー」

を押してください。
contents-detail-navi.jpeg

そうすると、どのページからユーザーが来て、
どのページへ行ってしまっているか?が表示されます。

このデータが、あなたの予想通りかどうか考えましょう。

例えば、本当はトップページに鯖寿司販売ページへのバナーを貼っているのに、
全然トップページからのアクセスが少なかったとします。

ということは、バナーが押されていない可能性があります。

じゃぁどうすればバナーが押されるのか?

一概には言えませんが、
しっかりとボタンと目立たせることです。
そして興味を引くようにします。

例えば「身が分厚くてびっくり!」というお客様の感想&笑顔の写真を載せたボタンを作成します。そしてボタンと直感的にわかるように、ちょっと立体的なデザインにします。

それをトップページの上部に貼ります。
これだけで、押される数はぐっと増えるはずです。

このあたりは心理的なノウハウになってきますが、ユーザービリティというキーワードで本などが沢山でているので、ぜひ学ばれることをお勧めします。

どれを読んでよいかわからない人は、個人的にはこの本が薄くて読みやすいのでお勧めです。

また、成約率が0.5%を切っている場合は、
申し込みフォームの作りの問題の可能性が上がってきます。

この時も理由は一概にいえませんが、
以下のチェックリストでチェックしてみてください。
何か見つかるかも知れません。

□商品の値段は競合と比べて妥当、もしくは無料である
□商品のイメ ージが具体的に沸くような文章や写真もしくは動画がある
□申し込みフォームの項目数は7項目以下である
□お客さんが「なんでこんな情報まで入力するんだよ!?」と思うような項目はない
□申し込みフォームには記入例が載っている
□申込後にどうなるか?の説明がサイトのどこかにある

全てチェックがつくならOK。

もしチェックがつかない項目があったら、
そこに対策を打ってみてください。

….

以上、ちょっと長くなりましたが、
初心者の方でも今日からでもできるアクセス解析という視点で、
3つのレポートをご紹介しました。

この3つの確認は、今から10?15分くらいで終わると思います。

もし今、サイトの結果がでなくて困っている人は、
ぜひ、やってみてくださいね。

さて、次週はもうちょっと突っ込んで、
今回のノウハウよりもっとサイトを進化させるための解析術をお伝えします。

今週お伝えしたのは
「とりあえずGoogleAnalyticsを導入したんだけど、どうするの?」
という人向けの説明でしたが。。

来週の説明では、目標設定の話をします。
知るとどんどん楽しくなりますよ。

ただ、もう文章では書ききれないので、
たぶん、動画にします。

では、また来週!