WEBサイトの定性評価を初心者が行うには?
2010年09月25日
久しぶりにご質問頂きました。
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Web解析には定量評価(アクセスログ分析)と
定性評価(アンケート、ユーザビリティ、ヒューリスティック)の
両面から評価することが大事であるといいますが
定性評価とくにヒューリスティックは素人でもできる評価方法なのでしょうか
全く知らないところから実際に実施する(できる)までに
どんなことをすべきなのかを知りたいのですが。
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Mさん(※一応イニシャルにさせて頂きました)、ご質問ありがとうございます。
いきなりハイレベルです(笑)
最近わかってきているのですが、
このメルマガ(ブログ)の読者の方は実に幅広く。。
「用語はいらない。”具体的なHowTo”がほしい!」
っていう経営者タイプの方から、、
「アクセス解析を実業務でバリバリ使ってる(or 使う必要がある)んですよ」
というコアな方まで、、
本当にさまざまです。
で今回はコアな方からのご質問だと思います。
でもそうすると経営者タイプの方は興味ない、
っていう風になりそうですが、、
共通の大切な話をしますので、
「どうも結果が出ないなー。何をしたらいいんだろう?」
という人はぜひ読んでみてくださいね。
で、まずは僕なりに少しご質問を噛み砕いみますね。
今回のご質問は
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数字では測れない、例えば「このボタンの色は赤い方がよい」
といった評価(定性評価)は、素人でも行えるでしょうか?
特に経験則から「これが正解だと思う!」(ヒューリスティック)
という評価を行えるようになるには、
いったい何を勉強したらいいでしょうか?
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というご質問ですね。
ありがとうございます。
で何を勉強したらよいかという答えから先にいうと、
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【Bad Answer】
「ヒューリスティック(経験則)なんだから、経験を積むしか、、(完)」
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という答えではないです。はい。
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【Answer】
「型を学ぶこと。」
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僕は、まずサイトの型を学ぶのが近道だと思います。
WEBサイトって「うまくいく王道の型」みたいなのがあるんですよね。
僕の経験則って、考えてみるとその型と照らし合わせていることが多いです。
ではその型とは何か?ってことですが、
ひとつはユーザビリティーの問題です。
ユーザビリティー=サイトが使いやすいかどうか。
こう言うと、ユーザビリティー評価は
ヒューリスティックな評価とは違う!
と思われるかも知れまんせんが。。
実際Webサイトで結果がでない時というのは、
ユーザビリティーの問題も多いのです。
申し込みリンクが見つからないとか、
フォームの項目が意味不明などです。
だから僕の経験則で出した答えが、
ユーザビリティーの問題というのは珍しくありません。
ということで、まずは型を知って、
サイトのパーツをひとつずつ評価するだけでも
大きな発見があると思います。
もし型に自信がなければ僕なりにお勧めはこの本です。
誰にでもわかりやすい内容なのに、
かなり本質に触れていて実践的です。
そして薄くて読みやすい(笑)
かつ基礎がしっかり書いてあるので、
どの問題の優先順位が高いかもわかるようになると思いますよ。
この本に照らし合わせてサイトを評価するだけでも、
おーってクライアントに評価されると思います。
…
次に学ぶべきなのは、
もうざっくりとしていますが、
「マーケティングの成功事例」だと思います。
例えば
「メルマガ登録を資料請求に変えたら、なんと売上2倍に!」
といった施策です。
ただ残念ながら、ここは確かに経験則はあります。
マーケティング上の施策をいきなり思いつくのは
正直きついと思います。
いわゆる心理学や顧客に精通していないと難しいのです。
そしてそれでも当たりません(涙)
でもこの問題も「型を知る」というアプローチが有効だと思っています。
つまり、マーケティングの成功事例をたくさん知り、
その型を真似るというスタンスでよいと思います。
例えばメルマガを発行してうまくいった事例があるならば、
このサイトでもメルマガを発行しようとか。
ただ、この成功事例を真似る時には注意点が2つ。
1つ目は本質を真似るということ。
型を真似る時は、見た目だけじゃなく、
何が申し込むキーポイントなのか細部まで見極めてください。
実際に申し込みをしてみて、
自分で体感されるとよいと思います。
例えばやずやさんのお試しなんか、とてもうまいですよ。
▼やずや
もう一つの注意点は必ずクライアントを巻き込むということです。
なぜかというと
そもそも抜本的にサイトを変えるアイディアは
クラアントしかわからないことが多いのです。
だから自分達だけで考えるより、
クライアントを巻き込んだ方がよいアイディアが出ます。
もし診断書を書くならばクライアントには成功事例をこんな風に伝えます。
「この成功事例を応用すれば、コンバージョン数は増えるかも知れません」
そうするとみんな前向きオーラが出るので、
あとはみんなで考えましょう。
成功事例についてはセミナーやコンサルタントの人と話したり、
さきほどのように他社サイトで良いといわれているものを見たり。
僕なんかは、海外のマニアックな教材なんかからも学んでいます。
…
以上2つが、今回のご質問に対する答えになります。
「ユーザビリティーと成功事例の2つの型を知る」
僕も未だにこの2つの学習を続けてますし、
よかったらぜひ実践してみてください。
あとは経験を積まれながら、じょじょに
行動心理学の勉強をされてもいいと思います。
追伸:
ちなみに僕の中では「アクセスログ解析は定量評価」
っていう意識では分けてないです。
どっちかっていうと、
「このリンクが押されてないじゃん!」
っていう問題認識の裏付けとして、
アクセス解析データを使っています。
(まぁこれも定量といえば定量ですが)
そして問題認識のためには、
この思考パターンでデータをドリルダウンしていきます。
▼サイトの問題点を知る方法
一般的に言われる定量的なものをしいてあげれば、
平均値との比較とかはしています。
(非現実的な目標を持たないためです)
だからあまり「定性、定量はロジカルに分けるべき」、
というプロとしての”診断意識”(※1)にとらわれるよりは、、
「さぁ、こんな状態ですけど、次に何をしましょうか?」
というクライアントを巻き込んだ一大イベントとして
アクセス解析を行った方が個人的にはよいと思います。
※1:自分が分析者として全て判断&決断してあげるんだ!という意識のこと