RiTurban‘sサイト解析ブログ

「リスティング広告 成功の法則」(阿部圭司著)の感想

2010年10月05日

今日のタイトルは、
PPC広告(リスティング広告)に興味がある人は、
とても読みたい内容だと思います。

今日はその本の中から、
「PPC広告で成功するため」に必要そうなノウハウを
全部は無理ですが(当然、本一冊分になっちゃう)
少しピックアップしてお伝えしたいと思います。
まず本の大まかな目次から。

・Chapter1:リスティング広告を始める前に理解しておくべきこと
・Chapter2:キーワードの展開方法
・Chapter3:広告文の作り方
・Chapter4:AdwordsとYahoo!リスティングの個別機能とテクニック
・Chapter5:さらなる最適化の技法
・Chapter6:モバイルリスティング広告

内容としては、本当にリスティング広告の全体を俯瞰しています。

・リスティング広告の本当の戦略とは
・キーワード広告
・ディスプレイネットワーク(コンテンツネットワーク)
・イメージ広告
・最新リマーケティング広告
etc…

僕も知らないことが沢山書いてあってかなり勉強になりました。
….

その中で、今日からすぐ役立ちそうな注目の部分を
いくつかピックアップしますね。

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1日の上限予算は可能な限り高めに設定しよう
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費用を使うのが怖くて上限を設定してしまった場合、
たしかに広告の表示回数は減り、クリック数は減りますが、
結局は機会損失をしているということになります。

この場合、なるべく上限値をあげておいて、
最初は手動で管理することで、広告の表示回数は増え、
しかも思ったより費用はかからない、
ということが起こりえます。

最初から予算を絞りすぎるのではなく、
売上を最大化するのが目的、という目標を忘れないようにしましょう。

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顧客の熱意の違いによってキャンペーンを細かくわけよう
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例えば僕が鯖寿司を売っているならば
「鯖寿司 通販」と検索している人と
「江戸前寿司 ネタ」と検索している人とでは、
鯖寿司に対する熱意が違うと思います。

ここで例えば
・キャンペーンA:「鯖寿司」という広告グループなど
・キャンペーンB:「江戸前寿司」という広告グループなど
という風に管理すれば、
キャンペーンAにより大きな予算を振り分けることができます。

さらに言えばAdwordsのコンバージョンオプティマイザーを
使用する時にも有効になってきます。

ということで、キャンペーンは
キーワード(顧客の熱意)ごとに細かくわけましょう。

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キーワード展開は連想ゲーム
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例えば無農薬野菜を売っているとして、
ぱっと思いつくのが
「無農薬野菜 通販」
というキーワード。

ところがそれだけでは拡がりが浅いです。
そういう場合は連想ゲーム!

例えば無農薬野菜を欲しがる動機を考えます。
・健康になりたい
・アレルギー体質がある
・子供がいる
など。

こういった連想ゲームから
「アレルギー体質に効く無農薬野菜」
といった広告が出せるかも知れません。


これでもまだこの本の数%のノウハウを紹介した程度なのですが、
全ては無理なのでこの辺で。。

さて、この本は、おそらく今まででたPPC広告の本の中では、
もっとも初心者?上級者までを満足させる本だと思います。

なぜかというとこの本、
いわゆるPPC広告のフレームワーク※として使えるのです。
※思考の枠組みを提供してくれるもの。辞書みたいなもの。

いまお話したようなテクニックが
たくさん掲載されているというのもそうですが、
もっと大事な「なぜそう考えるべきなのか?」
という基礎の説明がなされていてカバーする範囲が広い。

ぶっちゃけ話をすると、巷で有名なコンサルタントさんや広告代理店さんも
PPC広告運用は、ここまで知らずに運用していることが多いです。

なぜかというとマーケティング能力に長けていれば、
適当に運用しても、結果がそこそこ出るからですね。

だから、それで満足しちゃう。
計画も何もなく運用している人がとても多いです。
※ちなみに僕もこの本読むと計画が中途半端レベルでした。

でも、この本はそのレベルを超えさせてくれます。
本質であり、王道であり、かなり施策が細かい。

だから最近のPPC広告運用が停滞していて、
今のレベルを超えたい人(特に業者さん関係)には特にお勧めなんじゃないでしょうか。

※でも注意点がひとつ!しっかり読まないとこのことに気づけません。
新しいノウハウだけを知ろうと思って飛ばし読みすると、
その行間が読めずにカン違いしてしまいます。

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【初心者の場合は?】
本自体は図解が多くてわかりやすいのでお勧めなのですが、
あまりに辞書的に全体を俯瞰しているので、
どこをやるべきか迷ってしまうこともあるでしょう

その場合は、
P32の、4タイプ分析で自社サイトを分析してから、
P41の、CPAについて学ぶとその後が理解しやすくなると思います。
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総じてこの本の感想ですが、変な本を数冊買うよりは
僕はこの1冊を持っているだけで十分な気がします。

阿部さんってブログでもセミナーでも本でも、

・説明がしっかりとした図入りなので誰でもできる
・実践的である
・本質を外さない(ただサラッとしているので、行間を読まないとわからないかも)
※次点:時々洒落が入っている

という特徴があって、すごくバランスがいいんですよね。
(ご本人自体もすごくバランスのいい人です)

PPC広告の分野って
なかなかこういった人は少ないような気がします。

ただ全体を俯瞰しすぎているので、
「とりあえず始めてみたいのよ」という初めての人には
導入としてこの本もお勧めします。


言っていることは殆ど一緒なのですが、
この本の場合は手順で教えてくれるので、
その通り進めていけば運用が開始できるでしょう。
(ちょっと本が古いので画面が違っていることもありますが)