欲しいと思う発熱量には2段階ある(サイト解析にも応用しよう)
2011年08月19日
最近、改めて様々な案件で
ユーザー像や導線を考えているのですが、
ふとしたことに気付きました。
「あー、MacbookAirが欲しい。(※実際に欲しい)」
こう思った時、
僕らは第一フェーズと第二フェーズを経て
購買に至るようです。
この第一フェーズと第二フェーズでは
“欲しい”の発熱量が違います。
そしてとうとう沸騰した時
・欲しい → 買う
という単純な導線を描くような気がしています。
これは誰も証明していないのであくまで仮説なのですが、
僕の経験則かいうと高確率で正しくて、
共通な王道パターンだと思っているので、
僕はアクセス解析などに応用しています。
この王道パターンを知っておくと、
「なぜこの商品は申し込みが少ないのか」という理由が
ある程度わかるかもしれません。
そこで今日はこの「欲しいの発熱量」
についてお話したいと思います。
さて、今回はMacbookを持っているのに
新しいMacbookAirが欲しい哀れな僕の例でいきます。
…
欲しいの発熱:第一フェーズはぬるま湯状態です。
先月7月中旬、僕は秋葉原の店員さんから
「新しいMacbookAirが7月末に出るらしいよ」
と情報を手に入れました。
そこで、がぜん興味がわき、ガンガン情報を調べました。
ポイントはこの時は情報を調べまくるということです。
実際、携帯とiPadの電池がなくなるまで検索しました。
すごいHOTです。
しかし、買いません。
大事なことは、この第一フェーズでは、
欲しいの発熱量が足りないのです。
それよりも「情報が欲しい」
の発熱量が半端ありません^^;
どちらにしろ、この第一フェーズでは絶対に買いません。
実際に僕はMacbookAirを買っていません。
…
さて、第一フェーズから少し間が空いたころに、
第二フェーズが到来します。
一旦落ち着いてから再ジャンプという感じでしょうか。
第二フェーズは沸騰直前になります。
このフェーズにいる人は買う可能性がとても高いです。
しかし、この発熱量に至るのは、
誰かの手助けが必要です。
ここがポイントです。
本人自身の力では、沸騰直前にはなることができず、
誰かの手助けが必要なのです。
そこで発熱を手伝う”第三の使途”が到来する必要があります。
・なぜか勧めてくる友人
・背中を押す家族
・お勧めのうまい店員
・思わぬ臨時収入
・いよいよ準備が整ったという自負
・雑誌の特集記事
・いきなりのピンチ
・自分に言い訳のできる状況
・etc..
なんでもいいのですが、
何かの手助けが必要です。
特に高額商品ほどこの傾向が強く、
あまりに高い商品の場合は、更に何人もの使途が必要です。
僕の場合は奥さんが
「MacbookAir買っていいんじゃない?」
と太鼓判を押してくれたことにより、
この第二フェーズに突入しそうですが。。
まだ沸騰はしていないので、
もう1人くらい使途が到来すれば完璧でしょう。
…
さて、これら第一と第二フェーズは、
数秒で訪れることもあれば、数年で訪れることもあります。
どれくらいの時間がかかるかは、
おおよそ”値段”と”信頼感”と”元の情熱(ニーズ&ウォンツ)”に
比例していると思います。
また情報を検索するかどうかも、
この時間と信頼感とニーズ&ウォンツに比例すると思います。
例えば僕は100円ショップのペンを買うことに迷わないし、
情報も検索しません。(つまり即沸騰して買います)
一方、MacbookAirのように値段が高くなってくると
そうはいきません。
第一フェーズと第二フェーズが明確に分かれ、
検索もガンガンします。
きっと数千万円の家の購入熱もそうだと思います。
第一次ブームと第二次ブームがある人が多いのではないでしょうか?
その熱量は、時系列に直線的に上がるというよりは、
台形のように踊り場を持ちながら、
ゆっくりあがる温度のように感じます。
…
今日は「欲しいの発熱」の話をしました。
これら2つのフェーズはもっと細かくわけることもできるでしょうし、
もともと1つだという人もいると思います。
ただ僕がここで言いたかったのは、
人はいろいろな「欲しいの温度」で
情報を探しているということです。
これを受けて、
ぜひ思い返して欲しいことがあります。
・自分はどの温度の顧客にアプローチしているだろうか?
・自分の売っている商品は顧客を沸騰させられる商品だろうか?
・自分が出稿しているのはどの温度の検索キーワードだろうか?
特に申し込み率がかんばしくない時は、
間違って第一フェーズのユーザーにアプローチしていないか?
またそうだとしたら、沸騰してもらうにはどうしたらいいのか?
を考えた方がいいでしょう。
(ヒント:販売がうまい店員さんは第一フェーズから沸騰させるのが上手です)
なお余談ですが僕自身はこの考え方を
リスティング広告運用にも応用しています。
第一フェーズ用のキャンペーンと、
第二フェーズ用のキャンペーンをわけて予算管理をしているのです。
MacbookAirで言えば、
PCのスペックや比較を検索してるのは
第一フェーズのユーザー。
値段を中心に検索しているのは
第二フェーズのユーザーです。
※もちろん多少のオーバーラップはあります。購入直前にもスペックは見ますから
正確に言うと、その中でも、
第一フェーズでかつ直接ニーズをもったユーザー
第一フェーズでかつ間接ニーズをもったユーザー
という風にわけています。
間接ニーズというのは
「パソコン修理」などのキーワードですね。
今までも顧客属性別にキャンペーンをわけていましたが、
現在はこの分け方が気に入っています。
当然、このキャンペーン毎にアクセス解析を行うと、
大ざっぱに傾向を把握するには便利だと今のところ感じています。
こういう「欲しい発熱量」を中心に、
キーワードグループをわけて考えることはとても大切ですが、
もともと買うつもりのない発熱量がある(第一フェーズ)
ことを意識しておくと、
作戦が柔軟になると思いますよ。
ぜひお試しあれ。