RiTurban‘sサイト解析ブログ

広告の費用対効果を正確に測るには?

2010年07月26日

アクセス解析を行っていくと、
そのうち広告の費用対効果を
正確に測りたくなってきます。

もちろん(旧)Overtureなどの広告側のツールにも
アクセス解析機能がついています。

ですからそちらを使ってもいいです。

でもそれらツールは一言でいうと、
解析レベルが”甘い”。

例えば、購入したかしないか等
白か黒かという大雑把な部分しかわかりません。

それにOvertureとAdwordsで画面が別々など、
一元管理ができないから、
総合で判断するのが大変です。

そこでサイト側に仕掛けたアクセス解析ツールを使おう、
ということになってきます。

ところが途中から広告の効果を測ろうとすると、
以下2点で困ったことになります。

アクセス解析ツールを見ても・・・
1.どれが広告からのアクセスかわからない
2.広告の間接効果が測れない

そこで今回はこの2つの問題について
取り上げてみたいと思います。
まず、
1.広告からのアクセスがよくわからない
について触れます。

※僕はGoogleAnalyticsを使っているので、今回はそのGA中心に話を進めます。

実はOvertureやAdwordsは少しやっかいです。

というのもYahoo!やGoogleで検索されたアクセスとして
普通に記録されてしまうのです。

つまり広告だとわからない。

またメルマガ広告も同様に、
directアクセスとして記録されてしまいます。

これは頂けません。

アクセス解析では区別できないものは、
どうやっても分析できません。

だから何としても区別できるようにしましょう。

ありがたい事に、
GoogleAnalyticsの普遍的なツールとして
URL生成ツールというのがあります。

▼URL生成ツール
http://homepage-shindan.com/url/file/gaurlseisei.html

これを使うと自作のアクセスメモを残せます。

例えばメルマガ広告のアクセスに対して、
「これはメルマガ広告からのアクセスだった」
という印を残せるのです。

印が残るのでアクセス解析ができます。
つまり効果が測定できます。
これは便利ですね。

そこで広告を出すならば、必ず設定しましょう。

またURL生成ツールのURLは長すぎるので、
もし嫌だったらURL短縮サービスで短くして使いましょう。

※AdwordsはGoogleアカウントさえ一緒だったら自動連携します

さてこれで1個目の問題点はクリアです。

2番目は間接効果です。

例えば、僕がMixiの広告であなたのサイトを知った数日後、
Adwords広告をクリックしてあなたの商品を申し込んだとします。

これはMixi広告のおかげでしょうか?
それともAdwordsのおかげでしょうか?

GoogleAnalyticsの初期設定では、
これはAdwordsの成果になります。

つまり直接コンバージョンに役立ったものがえらい、
という考え方です。

しかしこの場合、
Mixi広告の効果も0ではなさそうです。

このMixi広告のように、
効果が間接的でよくわからないものを、
文字通り広告の間接効果と呼びます。

この間接効果を正確に図れるかどうかは、
そのアクセス解析ツールのポリシーによります。

正確に図れるものは、
まず殆どユーザー個別にデータを解析できるツールです。

つまりユーザーを特定できるツールです。

一方セキュリティポリシーで
匿名性をうたっているGoogleAnalyticsの場合、
その間接効果はトリッキーなことをしないと取れません。
——————–
※2011/4/15追記
Multi-Channel Funnelsという機能で
できるようになりそうです。
http://youtu.be/Cz4yHOKE5j8
——————–

一応ひとつのアイディアだけ話します。

こういうカスタマイズやっている人もいると思いますが、
かなりややこしいので、
ここは↓やりたい人だけ読んでください。
——-
広告のリンク先URLを媒体毎に毎回制作して、
そのリンク先ページでカスタム変数のユーザーフィールドにデータをセットします。
プログラムで同時にアクセス日付を入れてもいいでしょう。

そうすれば後追いができます。
——-


ちょっと難しいことをいいましたが、
結局は「どこまで計測するか?」の判断です。

僕は中小企業でGoogleAnalyticsを使うならば、
1の対策は必ず行って、2の間接効果は無視、
というのがいいと思います。

例えば、本を読んでやってきた人や、
「石川遼のスピードラーニング」
といったバナーを数カ月間見てやってきた人も間接効果ですが、
彼らはバナーや本を見ていただけなので事前のアクセス履歴はありません。

つまりこれを計測することは難しいです。

であれば逆転の発想で、
「直接の広告しか試さないし、分析しない」
ということで僕はよいと思います。

その方がわかりやすいし、
限られた予算も集中投下できますし、
コントロールがききます。

またこれはあくまで個人的な感覚値ですが、
新規アクセス時に申込む人は全体の50%くらい。
残り50%はリピートして申込むと思っています。

だとすれば、間接効果はそのリピート50%のうちの
さらに数%なわけですから、もう少数です。

だからそこを深追いするより、
やはり初回アクセスが来た時にだけ、
動向を計測する方がよいでしょう。

例えばMixi広告から来たアクセスは
何ページくらい読み込まれて、
どのページに興味がもたれるのか?
ということだけ抑えておいて、、

あとは直接コンバージョンする広告を優先する、
ということでよいと思います。

そして間接効果をどうしても知りたい場合は、
購入してくれたユーザに直接聞いてみましょう。

「ひょっとして、僕の本を見てくれましたか?」
「石川遼くんの影響はありましたか?」

と。

これでOKです。

多くのサイトでは、
問い合わせ人数はせいぜい毎月数十人のはずです。
だから直接聞いた方がわかることはずっと多いですね。

それでも、いよいよ間接効果が自動ではかりたくなったら、
アドエビスやなどの別ツールの導入を検討しましょう。

※僕が知っている限りの情報
▼アドエビス
http://homepage-shindan.com/url/file/adevis.html

▼フルマーケくん
http://homepage-shindan.com/url/ file/fullmarke.html

▼ウェブアンテナ
http://homepage-shindan.com/url/file/webantenna.html

要は顧客行動を詳細まで追えるツールを探します。

でもぶっちゃけ、
僕は使ったことがないです。

結局、そんな間接効果の分析精度をあげるより、
他のことにパワーを使った方がずっと有意義だと思っているからです。

結局、アクセス解析って
興味本位の分析と、実行に移す優先順位とのトレードオフだと思っています。

つまりどれだけ分析できても
改善に向けて実行ができなければ意味がないです。

このあたりを指摘した、
DELLコンピューターの創業者
マイケル・デルの言葉を贈ります。

「何をやるのかを決めるのは簡単。何をやらないのかを決めるのが難しい」
                   ――――――マイケル・デル」

だからもし結果が重要ならば、
最初から分析ポイントとやることを2?3個に絞ることがお勧めです。
そうすれば迷わずにすみます。