RiTurban‘sサイト解析ブログ

サイトの問題点を知る方法

2010年08月03日

先日お客さんとお話していると

「私のサイトの問題点は
 サイト導線だと思うのです。」

というお話がありました。

僕はそれを聞いてこう答えました。

「それもそうですが、
 商品販売ページの改善を先にやりたいですね」


サイトで申し込みが入らない場合、
原因についてはいろんな人が
いろいろな予測をします。

しかし、その予測があたっているかどうか、
どのように判断したらよいのでしょうか?

最も難しいのは、
どれが一番の問題なのか?を探ることです。

今日はずばりですが、
その問題点を知る方法。

何のデータを見てどうやって問題点を知るべきなのか?
というお話をします。

まず今回は

「本当は毎月10?20個くらい売りたいのに、
 月1個くらいしか売れない人。」

をイメージしています。

ギリギリまで最適化している方は対象外です。
アプローチやデータの使い方がかなり違うからです。

あくまで成約率があまり良くない場合、
ということで。

さてその売れ行きが芳しくないサイトに対する
僕の基本的なアプローチ方法をご紹介します。
————–
【1.サイトを見る】
・サイトを初心者のつもりでざっと眺める
・申し込みボタンを押してみる

【2.アクセス解析データを見る】
・トラフィックデータを見る
 →訪問キーワードを見る
 →参照元サイトを見てみる
 →地域性がある場合は地域を見てみる

・コンテンツレポートを見る
 →商品ページの滞在時間を見る
 →商品ページのナビゲーションサマリー(前後のページ遷移)を見る

・コンバージョンレポートを見る
 →コンバージョン率などを確認

【3.さらに一般的なセグメントに分けて、データを見てみる】
・リピーターと新規ユーザーにわけて考える
・コンバージョンしたユーザーとしていないユーザーにわけて考える
————–

ここまでが、
まず最初に行う一般的なアプローチです。
(もうちょっと見ていますが、ざっとこんな感じです)

ではこのプロセスのどこで

A.サイト導線が悪い or
B.サイトの商品販売ページが悪い

の判断をしているでしょうか?

実は
1.サイトを見る
の時です。

この時点で、申し込みがしづらければ、
それはもう絶対に早急に改善すべきだと決めています。

実は6割方の判断は、
この最初にサイトを見たときに行っています。

つまりデータは判断の4割にしか使っていません。

商品の値段や心理法則から判断している場合が
とても多いのです。

しかしそういってしまうと、
「勘(経験則)が全て」
という話になってしまいますね。

つまり毎回判断基準が変わってしまう。

実はそうではありません。

僕の中で優先順位を明確にもっているのです。

サイトで結果がでない場合に、
だいたい問題となるのは、
以下の優先順位によって決まると思っています。


1.見込み客がきていない
→トラフィックデータのキーワードや参照元を見ればわかる

2.サイトの内容が見込み客の要望に答えていない
 →閲覧開始キーワードと直帰率、
  ランディングページの内容を見ればわかる。

3..商品販売ページが悪い
→最初にサイトを見てみればなんとなくわかる
 →跡はページ閲覧時間やページ遷移などのデータで補足する。

4.導線が悪い
→人気コンテンツのページ遷移を見たり、
 平均ページビューを見ればだいたい予測がつく。


だから僕はこの順番で考えています。

つまり、僕がお客さんに向かって

サイトの商品販売ページが悪い > サイト導線が悪い

と考えたのは、データから導き出した優先順位ではなく、
パターン化された優先順位なのです。

実際、そのお客さんの言うとおり、
サイト導線は間違いなく変えるべきです。

しかしそれは商品案内ページを変えた後です。

これはユーザーの流れで考えるとわかりやすいです。

最初に入り口を広くして(1と2)、
次に出口を広くする(3)。
最後に、その途中のフローを最適化しています(4)。

なぜかというと、
導線が悪すぎて商品販売ページに
一人もユーザーが訪れないということはまずないからです。
(Flashで作成された英語だらけのよくわからんサイトは例外です)

ユーザーはそこに山があれば、
たとえそれがエベレストでも登りたいと思うものです。

どれだけ険しい道も、
モチベーションがある人であれば、
まず登ってきてくれます。

逆に言えば、サイト導線が悪いほど、
買う気まんまんの猛者どもが、
あなたの商品販売ページにたどり着いています。

しかし、それだけの猛者どもも、
200x年世紀末の商品販売ページがあれば、
そこで諦めて下山を始めます。

▼200x年の販売ページの例
——-
「グヘヘへへ。俺は北斗の拳のジャギ様だ。
 俺の商品はこの卑怯な拳銃…
 (自慢が続く。中略)
 …とにかく3ヶ月後に自宅に届けてやろう。ここから予約しやがれ」
——-

これでは成果はいつまでたっても0です。

エベレストを登り切った顧客には

「冷たいヒマラヤ天然水はこちらに無料でおいてあります。ご自由にどうぞ」

としてあげなくてはなりません。

あまりに酷い例え話かも知れませんが、
実際申し込みが入らない場合というのは、
これくらい顧客にとって関係ない
意味不明な説明があったりするものです。

ということで、たいていの場合は、
この商品案内ページが悪いことが多く、
しかもこれはほとんど心理学の分野です。

でも心理学といっても難しいことではなく、
一度試しに申し込んでみればなんとなくわかります。

ここで大切なのは、
サイトオーナーはこの問題に気付けない、
ということです。

なぜなら見慣れているので
「ジャギ様の拳銃」と「ヒマラヤ天然水」
のどちらが顧客に有効なのか、もう訳がわからなくなってしまうのです。

これは僕自身が自分のサイトをやる 時もそうです。
何事も自分を客観視することがとっても難しい。。

だから誰か家族とか、別の人に見てもらってくださいね。

もしあなたがサイト導線が悪いのか、
商品ページが悪いのかわからない場合は、
アクセス解析データもそうですが、
このユーザレビューと優先順位がすごく役に立つと思います。

なにを隠そう、僕もそうしています。