RiTurban‘sサイト解析ブログ

数字を使わないアクセス解析-マクロ視点とミクロ視点

2011年09月09日

今日は僕の持論を展開しますが、あっさり終わります。

「サイト改善案が浮かばない人はミクロのアプローチもとってみましょう」
という話です。

ひょっとしたら「あ、なるほど!」と思ってもらえる人もいるかもしれません。

あまり言っている人がいないので僕の独自理論かも知れませんが、
僕はアクセス解析には大きく2つのアプローチがあると思っています。

1.マクロなアプローチ:統計的なアプローチ(数字の世界)
2.ミクロなアプローチ:ユーザーを個別に想像するアプローチ(数字をあまり意識しない)

統計的なアプローチとは、サイト全体の直帰率が高いページを見つけて改善したり、
上位キーワードについて散布図を描くようなアプローチです。

特徴としてサイト全体の目標や課題を設定しやすく、
モニタリングを行うのに適しています。

一方、ユーザー個別に想像するアプローチとは、
ある特定のキーワードを中心にセグメントを絞ったりして、
“数人”規模のユーザー像を「想像」しながら考えるアプローチです。

こちらはより個別の人間心理に近づくので
ピンポイントで悪いところを発見したり
クリエイティブ(デザインや文章など)の変更などを考えるのに適しています。

どっちがいいというわけではなく、
両方取り入れるべきだと思っていますし、
両方をハイブリッドして考えていることもあります。

■申し込みが少ない時は、まずミクロから考えてもいい

ところで現在、アクセス解析としてのノウハウとして出回っているものは
統計的なマクロアプローチが中心なのかなぁと感じています。

いえ、実際にはハイブリッド型なのですが、
アクセス解析に数値計測は外せないので
どうしても数値や統計の話が出てきます。

そうすると、どうしてもぱっと見が統計的アプローチに見える。

ですのでアクセス解析というと、どうしても
数字の世界=難しいと思われることが多いと思います。

ここからが本題ですが、
アクセス数が少ない中小企業の場合、
「どうも申し込みがない」という時は、
僕はミクロから考えてもよいと思います。

理由ですが、数人のユーザーを中心に考えると
誰でもイメージが湧きやすいです。

また中小企業のサイトは統計的に信頼できるサンプル数が
集まりづらいということもあります。

そこで、誰でもイメージができるわかりやすいところからまずはじめる
という考え方もありだと思うのです。

分析の方向性ですが、
あくまで数人~数十人のユーザーの心理や導線を中心に考えていきます。

具体的に方法をお伝えすると、
ある特定の見込顧客が検索すると思われるキーワードや、
商品ページを見た人や、会社概要ページを見た人、
またコンバージョンをした人を中心にセグメントを絞り、
そのユーザーに満足してもらえるサイト作りを目標にします。

そして、その大切なユーザーの直帰率が低くなるように、
大切なページをちゃんと読んでくれるようにサイトを改善していくのです。

またもっと同様の見込顧客候補を呼び込めるように集客施策を打ちます。

ちなみにセグメントを絞るというのは、
GoogleAnalyticsのアドバンスセグメント機能を使ってできます。

▼アドバンスセグメントの使い方(Web担当者フォーラムの大内さんの記事より)
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/06/25/5677

また、なぜ会社概要ページを見た人を分析するかというと、
会社概要を見た人というのは、多かれ少なかれ、
その会社に興味を持った人の可能性が高いからです。
(※当然、サイトによって違うと思いますので、ここは置き換えてください)

■数人が気に入るサイトはもっと多くの人も気に入る

なお数人のお客さんにインタビューし、
サイトの改善案を聞くことも
同様かそれ以上の効果があります。

数人のお客さんに絞って考えることは、
一見すると他のお客さんに響かないサイトを作ってしまいそうで
怖いと思うのですが。。

実際は違っていて、まず数人のお客さんが喜ぶようにサイトを改善すれば、
それと似たような人が喜んでくれることが多いのです。
(たまたまインタビューしたお客さん達がかなりのカブキモノだったら別ですが。。)


次回は上記を前提に、今度はマクロのお話をちょっとしてみたいと思います。

追伸:

ちなみにお気づきかも知れませんが、
僕のブログではミクロのアプローチを取り上げることが多いです。

だからアクセス解析のブログにしては珍しく、
ほとんど数字が出てこないのですw

また僕のWEB坦の連載「誰クリ」でも、
http://web-tan.forum.impressrd.jp/l/5662
初心者向けということで、このミクロなアプローチを心がけています。